TMレポート

ブログタイトルはそのままに、思いついたことを書く場所に変えました。。。

嫌なものを自ら名乗る

最近、ずっとこの仕事をしていていいのかなぁと深く悩んでしまいます。


(「贅沢な悩みだ」と今かいていて思いました。「違う職を望むとはどういうことか」については別の記事にまとめようと思います。)

 

自分はエンジニアをしています。それもちょっと特殊なエンジニアと言うか、ものづくりという工程の全部に絡む仕事をしていて、設計はもちろん部品の手配やら客先への工事、トラブル対応も全部やります。そんななんでもエンジニアなので、上司は「1人前には10年はかかるね」と言います。これはつまり「焦らなくたっていいんだ」とどっしり構えてもらえているということなのですが、自分のようなひねくれ者?には「自分にはもっと別の10年もあるのでは?」などと考えてしまうのです。高校の進路選択のとき、デザイン系の進路に後で気がついた自分としては、どうにもパラレルワールドの自分が気になってしまうのです。

 

そんなわけで、自分はエンジニアをやめたいやめたいともうかれこれ4年言い続けていますが、最近ちょっと変わった体験をしました。

 

以前父親と遊んだとき、彼がかっこいいTシャツを着ていました。

The Real Mccoy's Buco T-shirt "ENGINEER-White"

イカしてますよね。でも彼はエンジニアではありません。仕事ではオーダーメイドのスーツを着ているような人物です。僕はこのシャツを見て、「自分こそこれをきるべきだ!」と思いました。このTシャツを見た翌々週には現物を見にいって、父には内緒で色違いを買いました。

The Real Mccoy's Buco T-shirt "ENGINEER -Black"

イカしてますよね。残念ながらDETOROITには行ったことはありませんが、高校の担任の先生がDETOROITで働いていたことがあるらしいのでセーフです。これで縁もゆかりもない訳ではなくなりました。話がそれましたが、僕はエンジニアであることをよく思っていないエンジニアであり、そんな自分が自らの意思でエンジニアであることを主張するTシャツを着る。そうすると「エンジニアも悪くねぇぜ!」となまじ誇りのような気持ちが浮かんできました。このTシャツを着ていると「こんな自分も悪くねぇぜ!」と肩で風を切って歩くことができるのです。これがファッションの凄さだと思いました。

 

この体験をおなじみの友達、ジョニーに話したところ面白い回答が帰ってきました。「黒人が自らn**gerと名乗ることに似ているね」というのです。彼ら以外がNワードを言うことはできません。しかし彼ら自身の中だけでは成り立つのです。もちろん、歴史的バックグラウンドの重さは比べるまでもありませんが「嫌いなものを自ら名乗ることで力を得る」ということに共通項を見出すことができました。

そんなわけでエンジニアであることに逡巡はありつつも、会社の作業着の下でたまーにこのイカしたシャツを着て、肩で風を切って仕事をしています。