TMレポート

ブログタイトルはそのままに、思いついたことを書く場所に変えました。。。

前田さんの成功者論について

数年前、前田さんに成功者の人物像について質問した記憶があります。彼の回答はこんな感じだったと思います。

 

「成功者や天才は孤独。もともと孤独というよりも、人とかかわる中で自然に一人になっていく。次第に疎遠になっていく。」

 

今年の二月ごろ、「あなたのやる気はなぜ長続きしないのか」(デイビッド・デステノ著、住友進訳)という本を読みました。最近叫ばれる「意志力」とか「やりぬく力」というような認知的な機能を脳が発揮するとき、実は言い訳や先延ばし癖のような自己正当化をするときに働く脳の部位と同じところが働いている、というような記述がありました。

 

この本にて、先の前田さんの意見を裏付けるような研究結果が乗っていました。社会的に成功しているとみられる人の幸福度や自己肯定感についての研究で、一見すると成功者に見える人でも孤独感を強く抱えている、むしろそういう人の方がそうでない人より強く孤独を感じているという研究結果だったように思います。

(この本はとても面白い本でしたが、手放してしまったのでソースは示せません。。。こういったビジネス本系に対する思いのたけも記事にしたいです。。。)

 

前田さんの成功者論を別の表現で解釈すると、「船団の連結」をイメージします。船団は一つの方向に向かって進んでいます。その中の一隻が、自分だけの航路を進みたいと考えた場合、連結を切り離すことになります。切り離したからと言って、すぐに船団と連絡が取れなくわけではありません。海の潮が流れるように、次第に元の船団と離れていく。そんなようなことを前田さんの口ぶりからイメージしたことを覚えています。

 

最近、ある友人にこのイメージを重ねることが多くなりました。彼は戦略コンサルタントになるために、私がこれを書いている間も自己研鑽を積んでいるでしょう。情熱的で、努力を惜しまない優秀な友達です。最後に遊んだときは、彼の方から誘ってくれたものでしたが、その時でさえ、私の部屋で資料作りをしていました。この夏くらいから二度三度ほど遊びに誘っていますが、仕事関係の予定でパンパンの様です。遊びを断る彼は申し訳なさそうでした。その時「疎遠になっていく」という前田さんの言葉を思い出したのです。

 

私も「次第に疎遠」を演出したことがあります。演出なんて言ってしまっていますが、恥ずかしい思い出です。友達の家に泊まりに行く約束をしていたのですが、直前になって遊びに行けないことを連絡しました。ほかに「するべきだ」と思った予定を自らに課したためです。しかし、私は結局その本丸(友人との約束を蹴ってまでやろうとしたこと)をやりませんでした。ただ自宅で悶々としていました。

 

結局のところ、優先順位の問題なのだろうと思っています。「覚悟がない」「甘えだ」などと自分を責め立てることもできますが、責めてみたところで実力は付きませんし、気休めにもなりません。かえって気分が沈む「気沈め」になります。この「自分との約束を優先する方法」に対して合う合わないの問題もあると思います。自分の例でいえば、欲張りなのでいったん全部やろうとした方がよかったのかもしれません。前田さんは「誘われたら行っちゃう」と言っていた気がします。私も大いにもそうなのかもしれないな、と思うところです。

 

目に見える情報だけがすべてではないでしょう。しかしそれでも、目に入ってくる成功者の方々は「自分との約束」を優先しているように見えるのです。そして成果を上げているように映るのです。逡巡は尽きません。私は成功者にはなれない、偉大な何かを成し遂げるには至らないのでは、と。これを若さというのでしょうか。