家庭について考えることが増えた。
その度に、なぜ父と母はあんな態度や癖を持っていたのかを考えていた。そうなると当然彼らの父と母、私の祖父母についても考えることになった。
あれからぐるぐる考えた結果、お母さんもお父さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、みんな全員「子供の自分」を許さなかったからだと思った。
「子供の自分」というのは文字通り「自分の子供っぽいところ」ととらえることもできるけど、生まれつき元々持っている欲求という意味でこの表現にした。
「子供の自分」は時代や立場によって抑圧されてしまう。長女、長男、母親、父親。家族という小さな社会での立場によって、心の奥底に押し込められてしまう。押し込められた可哀想な自分は常に外に出るチャンスを伺っている。
頭で考えてみても「子供の自分」が出てくるタイミングはわからない。ただ経験から振り返ることによって、タイミングを知ることはできる。「なんか無性に腹の立つ時」なんかがその時だと思っている。
自分の場合、自慢や言い訳とか愚痴をよくする人やそういうシチュエーションに出くわすと、なぜだか猛烈に怒りが湧いてくる。頭ではその人にもいろんな都合や背景あることが想像できるのに、どうしようもなく頭に来る。
それはなぜか。子供の頃、それを許されなかったから。自分の話を頭ごなしに否定されたから。聞く耳を持ってもらえなかったから。自己表現を奪われたとも言えるかもしれない。
この小さな自分の存在を認識して、もう怖くないよと教えてあげられなければ、自分もまた抑圧されて子供を生み出してしまうだろうと思う。
ケアには時間がかかる。